夏祭りの夜に


 どうしてこうなってしまったのだろう?
 一つはこの異様な混雑だった。
 一歩踏み出すのにも非常な力を要する大混雑。
 今日は非常に良い天気で、こんな夜には星がとても良く見える。
 但し、この混雑の原因である一般の人々は、星よりも今日の花火大会のイベントが目当てなのだろうが。
 桜乃は、慣れない浴衣姿で、道の真ん中で人々にもみくちゃにされながら辺りを必死に見回していた。
 こうなってしまったもう一つの理由は、些細な切っ掛けだった。
 今日の花火のイベントを一緒に楽しもうと、祖母がコーチを務める青学男子テニス部の面々と連れ立って来たのは良かったが、握ってもらっていた手が人の波の圧に押され、引き離されてしまったのだった。
 これは、竜崎桜乃一生の不覚だった。
 折角、彼に…・越前リョーマに握ってもらっていたのに…
 淡い恋心を抱く相手と引き離され、当然桜乃は慌てて彼を探した。
 しかし一度皆と離れ、続けて人ごみに呑まれ、自分でもよく分からない方向へあれよあれよと流されてしまい、遂に桜乃はそこに一人ぼっちの状況に追い込まれてしまったのだった。
 彼女が生来、見事な方向音痴であったことも原因の一つかもしれない。
 辺りを見回しても知らない人の頭と背中ばかりで、声を聞こうにも周りの人々の声もかなりのもので、求める声などもう聞こえない。
 せめてリョーマ達も自分のことを探してくれているのだろうと思いたいが、その希望も今の彼女を助ける直接的な力にはならなかった。
(ああ、どうしよう〜〜〜…リョーマ君たち何処に…)
 おろおろとしている桜乃に、無情にもまた人の波が襲い掛かってくる。
「きゃっ…!」
 押された拍子に身体のバランスを崩し、桜乃の手は無意識に縋る対象を求めて宙を彷徨い、幸運にも何かの布に触れた。
(転んじゃう!…)
 頼りない布だとしても、もう無我夢中だった。
 桜乃はぎゅっとその布を掴んで波に抗おうとしたが、やはり身体が大きく傾いてしまう。
「危ない!」
 誰かの声が聞こえたと同時に、自分の腕が強く引っ張られ、体勢が元に戻ってゆくのを感じる。
 波の動きが緩やかになり、危機が去ったところで桜乃は恐る恐る目を開けた。
「?」
 見ると、引っ張られた腕が、誰かに掴まれていた。
 いつものんびりとしている桜乃にも、この状況は大体理解出来た。
 倒れようとしたところを、この腕の持ち主が救ってくれたのだ。
 しかもよく見ると、自分の手が掴んでいた布は、相手の浴衣の裾だった。
 きっと向こうは、自分の裾が引っ張られたことでこちらの状況に気づき、咄嗟に助けてくれたのだろう。
「すっ、すみませんでした! ありがとう…」
 口をついて出たお詫びと感謝の言葉だったが…
「ご、ざ…」
 顔を上げて相手の顔を見た瞬間、途中で途切れてしまった。
 それと同時に、自分の身体から血の気が引いてゆくのを感じる。
「大丈夫か」
 彼女のちょっとした変化に気づいていないのか、相手は気遣う言葉をかけてくれたのだが、桜乃はもう身体が硬直してしまっていて、反応が出来ない。
 彼は…自分も知っている人物だった、但し、向こうがこちらを知っているとは限らないが。
 いつもはさらさらとした黒髪を帽子で隠しているが、今日の浴衣姿では流石にそのトレードマークは見当たらない。
 しかし、幾ら浴衣姿であろうとも、彼の大きすぎる威圧感と鋭い眼光は聊かも緩んでいなかった。
 口癖が『たるんどる!』の彼なのだ、そうそう油断した姿など見られないだろうが。
 そう、桜乃を助けてくれた人物は、青学と激戦を繰り広げた立海大付属中学、男子テニス部副部長、真田弦一郎その人だった。
(り、り、り…立海の副部長さん〜〜〜〜っ!!)
 この時、実際に叫ばずに済んだのは桜乃にとって幸運だったろう。
「どうした? どこか、ケガでもしたのか?」
 桜乃がかちんこちんに硬直している事には気づきはしたものの、どうやら真田は彼女が青学の関係者だとは気づいていないらしい。
 大会の時にも彼女は応援席にいたのだし、直接会話を交わした訳でもない。
 真田が薄情という訳ではないし、記憶力が乏しい訳でもない、直接の接触が無い人に対しては、大方の人間がそういうものだ。
「いっ、いいえ! だ、大丈夫です!」
 桜乃はぶんぶんと首を横に振って否定の意を示すと、彼が気づいていないのをいいことに、そのまま立ち去ろうと決めた。
 別に悪人ではない、それは分かっている。
 でも、彼ら…立海大の面々のこれまでの行動を見ていると、非常に恐いお兄さん達、という印象が先に立つ、いや、それしか思い浮かばないのだ。
 特にこの副部長である、真田弦一郎…彼に一睨みされただけでも、桜乃のようなか弱い少女は蛇に睨まれたカエル状態になってしまうだろう。
「たっ、助けて頂いて、有難うございました」
「ここは人が多い、周りや足元には十分気をつけることだ」
 向こうは完全にこちらを初対面の人物と看做しているようだが、それでも早速説教をするとは流石である。
 これで中学三年生…末恐ろしい。
 しかし、それも今の桜乃にはどうでも良かった。
 良かった、このまま離れたら相手に気づかれず…
「弦一郎?」
(ひあっ!!!)
 いきなりの背後からの声に、桜乃が二度目の声にならない悲鳴を上げる。
「む、蓮二」
「どうした? 一人で…」
 振り返ると、背後に立っていたのは、また端正な顔立ちの少年だった。
 少年と言っても桜乃よりは随分大人びており、着ている浴衣も妙に様になっている。
(こっ…この人も〜〜〜〜!)
 確か、立海のテニス部員だった筈…・乾先輩と凄いテニスの試合をしていたから覚えがある。
 それに、見えていないようでしっかり見えているらしいこの細目も印象的だったし…
 確か、柳さん…だったっけ。
「いや、この子が転びそうになっていたのでな…」
「ふむ?」
 大の大人でもこんな固い会話はそうそうしないだろうが、二人にとってはこれが日常のものらしい。
 蓮二と呼ばれた少年が桜乃へと視線を向けると、彼はすぐに眉をひそめた。
「む? 君は…」
「蓮二、知り合いか?」
 尋ねる真田の隣で、桜乃がざあーっと真っ青になる。
 そう言えば…彼は乾先輩に負けず劣らずのデータ収集家…だったはず。
 当然青学のテニス部関係のデータも集めているだろうし、もしかしてそこに自分のデータも…?
 ううん、でも、流石に女子テニス部までは範疇外の筈…
 何とか楽観的観測で済ませようと思っていた桜乃だったが、運命は無情だった。
「竜崎桜乃。現在、青学の中学一年生。同校の男子テニス部顧問、竜崎スミレ先生のお孫さんだったな」
(おばあちゃんのバカ〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!)
 きっぱりと自分の素性を言い当てられ、桜乃は祖母に対し言いがかりと分かっていながらも、内心嘆かずにはいられなかった。
「ほう、竜崎先生の」
 懸念していた通り、青学の関係者と知った途端、真田は桜乃に視線を向け直した。
「これはすまなかった。どうも俺は蓮二と違って、選手以外のところまでは目が向かんのでな」
「い、い、い、いえっ、そのっ、謝られる程の事じゃありませんからっ!」
 早く立ち去りたいのに、何だか段々逆の方向へと流れが向かっている気がする…
「しかし解せないな…」
 桜乃の不安を他所に、彼女を見下ろしつつ柳は首を傾げた。
「こんな場所に竜崎先生が孫…しかも女の子を、たった一人で遊びに行かせるとは到底思えないのだが…友人らしい人間も周りには見られないし…一人か?」
 どうやら、祖母の性格も柳は既に解析済みらしい。
 このまま何も言わなければ肯定と看做され、祖母の監督不行き届き、などという冤罪が生じてしまうかもしれない。
 仕方なく、桜乃は事実を述べた。
「あ、あの…テニス部のメンバーの皆さんと来てたんです」
「テニス部、と言うと、もしや越前たちとか?」
「あ、はぁ…まぁ、そうなんですけど」
 一度戦ったライバルでもある人物とその仲間達がここに来ていると知った事で、真田は興味深いとばかりに桜乃に向き直った。
 その身長差は最早、大人と子供程もある。
「ほう、折角だから会いたいものだな、何処にいる?」
 しかし応えたくとも、ぐっと身をこちらに乗り出され、威圧的な口調で尋ねられ、それだけで桜乃はすくみ上がってしまった。
 本人にその気はないのだろうが…睨まれている気さえするし…
 やっぱり…やっぱり恐い、この人〜〜〜〜っ!!
「どうした? 何故、黙っている」
「うっ…」
 別に本人はなじったり責めたりしているつもりなのではないだろうが、上からの鋭い眼光と、厳しい口調は、桜乃の身を震わせるには十分だった。
 もう少しで涙が出る…ところで桜乃を救ったのは、そこにやんわりと滑り込んできた声だった。
「弦一郎、いけないよ。彼女、恐がっているじゃないか」
「む…?」
 真田が振り向くと、二人と同じく浴衣姿の線の細い少年が微笑んで立っていた。
 どうやら彼らのやり取りを少し離れた場所から眺めていたらしい彼は、三人の傍まで歩いてくると、先ず桜乃に優しく笑いかけた。
 首を傾げると、それに倣って緩やかなウェーブのかかった髪が揺れる。
「大丈夫だよ、弦一郎は怒っているわけじゃないんだから…竜崎先生の、お孫さん?」
「は…・・は、い」
 真田からの威圧が瞬く間に払拭され、代わりに穏やかな空気が彼等を包む。
 桜乃は、相手の和やかな雰囲気に、少しだけ心を落ち着かせることが出来た。
 やはり自分より大人びてはいるが、不思議な程に優しい顔をしている、眉目秀麗な少年である。
 雰囲気としては、青学の不二先輩に何となく似ている。
 頷いた少女に、少年はにこっと笑いかけ、優しく肩をぽんと叩いた。
「よろしくね、立海大附属中学、男子テニス部部長の、幸村精市だよ。竜崎桜乃さん…だっけ?」
「はい」
「一緒に来た人達は、何処にいるの?」
 真田とはまるで違う優しい問いかけに、強張っていた身体が緊張を解いてゆく。
 詰まっていた声も、今なら難なく出すことが出来るだろう。
「あの…一緒に、来てたんですけど…」
 説明の言葉は、突然、何者かの声で遮られた。
「あーっ! 部長みーっけ!!」
「おお、いたいた、こっちじゃ柳生」
「待って下さい、仁王君。ほら、お二人も」
「丸井! それは後にしろって!」
「やだー! はし巻き食べるーっ!!」
 周囲ではまだ、人ごみがこれでもかと道を塞いでいたのだが、その一団はそんな人ごみの圧など物ともせずにずんずんとこちらに向かって来ていた。
 折角ほぐれかけていた桜乃の緊張の糸が、その光景に再びこれでもかと張り詰める。
(きゃああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!!)
 ぞろぞろと…そういう表現がぴったりだった。
 浴衣姿の男子の集団が、自分達に向かって歩いて来る。
 銀髪の人や眼鏡をかけた人、赤い髪の人や、色黒の人、くせっ毛の人…
 皆、何となく見覚えがある…・無論、男子テニスの試合で。
 最早、疑いようも無い、彼ら全員が立海の男子テニス部レギュラー部員だったのだ。
「やあ、皆」
 幸村がにこにこと笑って彼等を迎えている間に、彼らはわらわらと三人の周りを取り囲んでしまった。
 テニス部員にとっては何でもない光景でも、囲まれてしまった桜乃はパニック寸前。
「あ? 何だ? 女の子がいるぜー」
「切原君、やめたまえ。レディーに失礼でしょう」
「ホントだ、女の子だー、誰だぃ?」
「見たことないな、ウチの学校の生徒か?」
「ほう、部長もやるのう」
 皆が一斉に言いたい事を言い始め、辺りは一気に賑やかになる。
(何で? 何でっ? 女の子は自分だけじゃないのに〜〜〜〜〜)
 この場所には無論多くの、他の女性客もいるのに、何故彼らは幻の珍獣を見るかの如くこうして自分に集ってきているのか?
 そんなに立海では女性という存在は珍しいのだろうか?
 確かあの学校は共学だったはずなのに…
「ふふふ、そうじゃないよ仁王。彼女はあの青学の竜崎先生のお孫さん。彼らと一緒にここに来ていたらしいんだけど…」
 その先を聞いていなかったね、と幸村が振り向き、桜乃も我に返った。
「あの…私…」
 説明しようとした桜乃は、自分の周りを囲む彼らの姿を見て、一瞬、青学のメンバーと彼等を重ね合わせてしまう。
(そう…だった…)

 どうしてこうなっちゃったんだろう…

 皆と来ていたのに、今はもう自分一人。
 本当はこんな風に、皆と仲良く騒いで祭りを楽しんでいたはずなのに…
 別れてしまってから、結構時間も過ぎてしまった。
 もう皆諦めて、勝手に行ってしまったかもしれない…リョーマ君も。
 もし探してくれていたとしても…どれだけ迷惑をかけてしまったことか。
「わた…し……は、ぐれ…ちゃっ…」
 心の不意を突かれ、桜乃は心細さと不安に圧され、ぽろっと涙を零す。

 びっくうっ!!

 その時、立海大のテニス部メンバー一同は、コート上では決して見せない姿を晒した。
 おや、と桜乃の顔を覗き込んだ幸村以外の一同、桜乃が泣き出した姿を見て一様に動揺し、おろおろと慌て始めてしまったのだ。
 コートの上では王者らしく威風堂々としている男達が、である。
『泣いた!』
『おい、泣いてんぞ!?』
『え? 俺、何もしてねぇよぃ!』
『何か、悪いこと聞きました!?』
『…ピヨッ』
 ひそひそと話し出す男達だけでなく、真田達もこの展開には面食らった様子だった。
「ど、どうした? 何を泣く」
「…っく…す、みませ…ん」
 真田が宥めようと声をかける脇で、何となく察したらしい幸村が頷いた。
「そうか…一緒に来てたのに、はぐれちゃったんだね。皆が何処にいるか分からないんだ?」
 こくんと頷いた桜乃は、ひくひくとしゃくりあげながら、大体の経緯を話した。
 話した後、立海の男達は暫く沈黙していたが、やがてそれぞれ顔を見合わせる。
「そうか…可哀想にのう…」
「そりゃあ、不安にもなるな」
「お気の毒です…」
「まぁ、元気出せよぃ。たこ焼き食うか? やる、一個だけな」
 桜乃が恐いお兄さん達と考えていた彼らは、意外にも彼女に完全に同情し、気の毒に思ってくれているようだった。
 そして…
「アイツが悪いな。越前リョーマ! アイツがみーんな悪い!」
「女の手一つまともに引けんとは…たるんどる!」
 意外なところで気が合っている切原と真田は、揃ってここにいない青学の一年生を物凄い勢いで非難している。
 何だか…状況が微妙に変な方向へ走っていっているような…
 周囲の空気に涙も止まり、桜乃はえ?え?と皆を見回す…と優しい幸村の視線にぶつかった。
「弦一郎と切原が怒るのも尤もだけど…こうして会った以上、知らない振りをする訳にもいかないね。女の子一人じゃやっぱり不安だし…俺達も、青学の仲間を探すのを手伝ってあげるよ」
「え…っ」
「ねぇ皆、いいよね?」
 彼等に同意を求める幸村に、否定の返事は一つとしてなかった。
「俺も精市と同意見だ」
「女性一人では、何らかの危険に陥る確率が高い。精市の判断は正しい」
「全然いいッスよ」
「ほうっておくのも気分が悪いしの」
「レディーを助けるのは、紳士として当然の行為です」
「すぐに見つけてやるよぃ」
「心配しなくていいぞ」
 全員の同意を得られたことを確認したところで、幸村は桜乃に尋ねた。
「一番手っ取り早いのは、携帯とかで誰かに連絡を取れたらいいんだけど…どうかな?」
「あ…あの、うっかりして私、家に携帯忘れちゃって…でも、メンバーの皆さんと連絡取る時も大体家にかけますから…携帯の番号までは…」
 女友達なら聞きやすいのだが、流石に相手が男子ともなると携帯番号までは聞きづらい。
 桜乃のように、内気な少女なら尚更だった。
「そうか、残念」
「竜崎」
 二人の会話に、柳が割り込んだ。
「は、い…?」
「念のために聞くが、今日の集まり、貞治も来ていたか?」
「乾先輩? は、はい」
「うむ、繋がった」
「え?」
 そこまで言うと、柳は徐に自身の携帯を口元に当てて喋り始めた。
「もしもし、貞治? こちら蓮二」
 一気に進展する事態に、立海大のメンバー達が内心びびる。
(展開、早っ!!)
(ってか、いつの間に番号交換してたんだ!?)
(つか、この二人の会話、聞きたいような聞きたくないようなーっ!!)
 だらだらと心に冷や汗をかいているメンバーを他所に、幸村と真田は「流石は蓮二」と感心している。
 ここ辺りは、付き合いの長い親友ゆえの慣れなのかもしれない。
 二人ともが大物であるということに変わりはないが。
「そうか…了解した、では後程」
 挨拶もなく、必要最低限の情報を互いに開示して行われた会話は一分も経たぬうちに終わり、柳は携帯を懐にしまいながら桜乃に頷いてみせた。
「皆もお前を探していたそうだ。だが手分けして探している為、今は全員が揃っていない。この先の橋で待ち合わせをしているそうだから、そこで合流しよう。他のメンバーには貞治が連絡を入れておいてくれるそうだ」
「そうか。蓮二、助かった」
「造作もないことだ…」
 桜乃の代わりに柳に礼を言い、幸村は彼女に笑いかけた。
「良かったね、皆、待ってくれてるよ。じゃあ、俺達で君を橋まで送り届けるから、よろしく」
「えっ? で、でも…あとは橋まで行くだけだし…これ以上お世話になるなんて…」
「う――ん…」
 丁重に申し出を断ろうとした桜乃に対し、幸村は今度は困った様に唸りつつ首を傾げた。
「でもね…そんな泣き顔の君を一人っきりで彼らのところに送ったら、今度は俺達が責められちゃうよ?」
「…でも…」
 尚も食い下がる桜乃に止めを刺したのは柳だった。
「お前の特技は迷子だろう、しかもかなりのハイレベルと聞く。橋まで辿り着かなかったら、また迷惑をかけることになるぞ」
「あう…」
 反論出来ない少女の後ろで、こそこそと仁王と柳生が言葉を交わしていた。
『ここから橋まではほぼ直線じゃろ? それでも迷うんかの…』
『ハイレベルと言ってますからね、柳君は…』



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