他校へと転校を果たした桜乃と、越前が再会を果たす機会は、意外と早く訪れた。
とは言え、越前が会いに行く、という意志の許で、という訳ではない。
テニス部員として、立海側と近日中に練習試合を行う運びとなり、その話をする為に向こうへと足を運ぶ機会が巡ってきたのだった。
本来は越前の学年であれば留守番が妥当なところではあるものの、そこは流石に入学後、間違いなく大活躍を続ける期待のルーキー。
練習試合に於いても間違いなく活躍が予想されるということで、彼も当事者になるという想定の許、先輩達と共に向こうへと赴くことになったのだ。
そ知らぬふりを決め込んではいたものの、これは転校した桜乃の様子を窺う上では絶好の機会であり、越前はその場所に到着してから、校舎などの施設を見ながら何処か落ち着かない様子だった。
「先ずは、コートに行こうかね。向こうも今は部活動中だから、そこに行けば会える筈だよ」
『はい』
スミレが先導し、彼らはぞろぞろとコートに向かった。
そして、青学のそれにひけを取らない施設が見えてきて、敷地内に入る前から向こうの部員達の元気な掛け声が届いてくる。
三年生はもう大きな大会はないので、後は二年生の部員に活動内容を引き継ぐ時期でもあるのだが、優秀な能力を持つ彼らはまだ後輩の指導に当たっているらしい。
別に違和感は感じない…青学でも同じ様なものだからだ。
「さて…幸村達は何処に…」
いるのかね…とスミレが呟いたのとほぼ同時に、遠くから大きな掛け声が聞こえてきた。
『お祖母ちゃーん!!』
「ん?……おやおや」
「おっ」
「久し振りに見るね…」
桃城や不二が楽しげに目を向けたコートの向こうから、一人の生徒が駆けてきていた。
長いおさげの、華奢な娘…
おさげを見た時点で、青学からの来訪者達はそれが桜乃であることをすぐに理解していた。
馴染みのあった青学の制服ではなく、今は立海指定のジャージを纏っている少女は、彼らの許に大急ぎで走りより、先ず誰より先に祖母であるスミレに縋りついていた。
「お祖母ちゃん! お久し振りーっ!!」
「何だい桜乃、中学生にもなってみっともない。相変わらず甘えん坊だねお前は」
たしなめながらも、笑みを含んだその声でスミレも久し振りの孫との再会を喜んでいるのがよく分かり、周囲の青学の生徒も立海の部員達も、彼女達の様子を微笑ましく見つめていた。
その中で、越前は桜乃の印象があまりにも変わっている事に驚いていた。
青学の制服からあっちの学校のそれに着替えているからかもしれない…しかし、それでも、青学で見ていた時より笑顔が眩しい気がするのは何故だろう…
綺麗になったと感じるのは…どうしてなんだろうか…?
それに…いつもの内気な感じよりは、ずっと明るい印象で…まるで桜乃ではない全くの別人の様だ。
悩んでいるところで、その場に威圧感溢れる声が聞こえてきた。
「ご無沙汰しております、竜崎先生」
「ああ、真田、久し振りだね。元気そうで何よりだよ」
「お陰さまで」
かつて、部長不在の時に代役を果たしていた真田弦一郎だ。
丁度一番近場にいたのは彼だったらしく、相手はスミレに挨拶をしたところで、ちらっとコートの向こう側を見遣った。
「すぐに幸村達も来ると思いますが、先に部室の方へ行かれますか?」
「すまないね、邪魔をするよ」
簡単な会話が為され、それが途切れたところで、真田が不意に桜乃へと顔を向ける。
「竜崎、折角の久し振りの再会を邪魔してすまんが、次のメニューを部員達に伝えてくれるか。何か問題が生じたら、俺達に言ってくれ」
「はい、真田先輩」
それは何気ない、後輩と先輩同士の会話だった。
しかし、相手が強面で堅物な若者だっただけに、そのあまりにも自然体な会話の様子は、寧ろ青学側の人間達にとっては衝撃が大きかった。
『うっそ! 真田があんなに砕けた感じで…』
『竜崎も全然物怖じしてないし、笑ってる!!』
菊丸や桃城がこそこそと互いの驚きを伝え合っている間に、純粋に驚いた様子の大石が二人を交互に見つめていた。
「へぇ、竜崎さん、ここでもテニス部の手伝いをしているのかい?」
久し振りに再会する先輩の質問に、少女はにこっと笑って振り返りながら頷いた。
「あ、はい…今は、マネージャーをさせてもらっています」
「マネージャー!?」
これまで立海にはそんな立場の人間はいなかった筈…と更に驚いた大石達の隣で、スミレだけが身内の特権か、既に知っていた様子で頷いていた。
「最初に話を聞いた時には驚いたんだが…ウチの孫が足を引っ張ってんじゃないのかい? 真田。中学に入るまではラケットも握った事がない子だよ」
「彼女の働き振りには、俺達は満足しているし感謝もしています。おそらく教育係の柳も、同じ意見でしょう」
「そうかね、ならアタシが言う事はないね」
孫が元気で、学生生活を実のあるものとして送ってくれるなら、と言ってくれた祖母に、桜乃が嬉しそうな顔を見せたところで、そこにまた新たな声が割り込んできた。
「こんにちは、竜崎先生」
「ああ、幸村…柳も揃ったかい」
結局、部室に向かう前にこの場で三強が揃ってしまった。
相変わらず柔和な表情を称えたその若者…幸村精市は、ジャージを肩に羽織ったいつもの姿で彼らの中に混じって来訪者達を見回し…そして最後に桜乃へと注目して微笑んだ。
「久し振りにお祖母様に会えて良かったね、竜崎さん」
「はい!」
心底喜んでいる様子の桜乃に、ふふ、と幸村が笑みを深めてゆっくりと手を伸ばし、なでなでと優しく彼女の頭を撫でる。
何気ない動作の中に確かに存在する親愛の情…
それを目の当たりにした越前の心が、見えない棘を何本も生やす。
無論目に見えないものではあるが、少年の纏う空気は確かに変わった。
(何、アレ…)
マネージャーだからと言って、何であんなに馴れ馴れしく触っているんだ。
しかも、竜崎も嫌がってないし…寧ろ嬉しそうに笑ってるし…
いつもの、過剰な程に遠慮していた、びくついていた彼女は、何処に行ったんだ…?
悶々とする越前を他所に、幸村は相手の頭から手を離したものの、相変わらず優しい声を掛けている。
「俺達は暫く先生達と一緒に部室にいるよ。真田にも言われただろうけど、君は切原と一緒にみんなを見ててくれるかい」
「分かりました」
こくんと素直に頷いた桜乃は、じゃあ、と祖母に簡単に挨拶を済ませてから、青学の生徒達へも会釈した。
「じゃあ、皆さん。失礼します」
「おう、またな」
「話し合いが終わったら、また喋ろうぜ、折角久し振りに会えたんだし」
先輩達が彼女に挨拶をにこやかに返した後、越前と桜乃の視線が交わった。
今日初めて二人のそれが交わり、桜乃は一瞬、きょと…と大きな瞳を彼へと固定し、すぐににこりと屈託なく笑う。
「リョーマ君、久し振りだね!」
「…ああ」
笑うべきだったのかもしれないが、共に笑うにはあまりに心の中に雑念がありすぎて、越前はいつもの様なつれない態度をとってしまった。
そしていつもの様に、こちらの機嫌を伺うようにびくびくした相手の返事が返ってくるのかと思いきや、今回はまるで違っていた。
「先輩達と一緒に来るなんて、相変わらず凄いねー。私ももっともっと頑張らなきゃ」
「…え?」
ともすれば、こちらの神経を逆撫でする様なかつての自信のなさは陰をひそめ、少女は前向きな笑顔と言葉で越前に答えた。
そして、その笑顔の眩しさに再び相手が言葉を失っている間に、彼女はもう片手を上げながら踵を返し、コートへと向かっていったのだ。
「じゃあ、私行かないと…リョーマ君達も頑張ってね」
そんな彼女に、コートから声が掛けられる。
『おーい、竜崎―っ!』
「はぁい! 今行きます、切原先輩」
未練も見せず、その場に留まりたいという希望もない様子で、桜乃があの生意気で好戦的な二年生の処に駆けてゆく。
「………」
この光景は一体何なんだろう…
当然と言えば当然だ、彼女はもう青学の生徒ではなく立海の生徒なのだから、彼らを先輩と呼ぶのも正しいし、言葉を交わすこともそうだ。
しかし…こんな風に自分達と話していた事など、一度もなかった。
いつも遠巻きに見つめていて、あんなに親しげに会話を交わすことなんて…自分はクラスさえ同じだったというのに…!
かつての煮え切らない態度に苛々したこともありはするが、今のそれには到底及ばない。
しかし、それが自分の言い掛かりだという事も重々理解はしており、越前はその場では何も言えずに、立海側の案内に従って、他の先輩達と一緒に部室へと向かって行った。
練習試合の日取りや時間帯、選手選抜などについての様々な協議が為され、全てが一段落したところで、彼らはそのまま立海のコートを見学していくことになった。
もう今から学校に戻っても満足な練習は望めないので、今日は他校の練習を見て、自分達のその内容について見直しを図ることにしたのだ。
これもまた、自身を客観的に見直し、分析する為には良い方法である。
「………」
先輩達が思い思いにコート傍に散って、そこで他の生徒の練習を見たり、レギュラー達と談話しているのを遠目に見ながら、越前もまたコートの脇に佇んでいた。
しかしその視線の先は…桜乃だ。
彼女は相変わらず、今日初めて見る笑顔で他の部員や先輩達と語らっている。
本当に、かつての彼女とは似ても似つかないぐらいに…
自分には関係ない…と思っている筈なのに、何故か視線を送る事を止められない。
物珍しいからだと最初は思っていた、思おうとしていた…しかし、今、越前は明らかにその理由に気がついていた。
綺麗だからだ。
まるで、蛹から孵った蝶の様に、立海での彼女は活き活きとしている。
何が切っ掛けだったのだろう…やはり立海への転校だったのだろうか…?
「………」
まるで、心にぽっかりと穴が開いたみたいだ。
彼女が青学にいた時には、いつまで追いかけて来るんだろうと思ったりもしていたのに。
あの子が青学から消えて以来、ずっと心の欠片が一つ、埋まらない…
今日久し振りに会って、正直どんなに心細い顔を見せるのかと思っていたところが、まるでもう自分など意中にない様な素振りで…
こっちがこんなに気にして…気にして…?
「…え?」
自分の思考に、自分で待ったをかける。
待て、今のはどういう意味だ?
自分は単に相手の事はクラスメート程度にしか思っていなかった筈…だから、いなくなったところでそれに慣れたら問題なかった。
そう、その通りだ……その通りだった。
けれど、どんなに時が過ぎても、隣の机がまた別の生徒で埋まっても、この空虚な感覚は満たされることがなくて…
今日会える事で満たされるかと思っていたら、寧ろ空虚な穴は更に広がり、深くなっている。
彼女が…桜乃が、自分を見てくれていたら…
いつもの様に、かつての様に、縋るような目を向けて、追いかけて来てくれたら…この穴はきっと埋まるのだろうに。
いつの間に自分はここまで彼女に依存する様になっていたのだろう、気付かなかった。
もし今こちらから声を掛けたら…彼女は今度は自分を見てくれるだろうか?
今まで思いもよらなかったけど…この感情は…こういう感情こそが…恋というものでは、ないのだろうか…?
(そんな……そんなコト…)
桜乃を見つめていたルーキーに、背後から声が掛けられた。
穏やかで、優しい声が。
「…良い子だろう?」
「!」
振り向くと、目に飛び込んでくるのはジョンブリアンの色彩。
それを纏った美麗な若者は、越前を、声と同じく穏やかな視線で捉えていた。
二人の視線が合ったところで、彼は…幸村は首を僅かに傾げて微笑む。
「素直で、優しくて…とても可愛いんだよ……ああ」
そこまで言ったところで、若者は越前に更に深く微笑んだ。
「…そんな事、『もう知ってた』よね、君なら」
「……」
優しい口調の言葉の中に潜む棘。
目を逸らさずに見据えてくるルーキーの視線を軽く受け流しながら、幸村は彼の方へと歩み寄り、その真横に立ち、自分もまた桜乃へと視線を注ぐ。
互いにトップクラスのテニスプレーヤーでありながら、今の彼らはテニスではなく、一人の少女へと意識を向けていた。
「……返さない」
柔らかな口調から一転、凛とした声で幸村が宣言する。
「『知っていた』上で手放したんだ……彼女はもう、君の許には戻さない」
「何の話?」
「竜崎さんは、今はもう俺の恋人だって話さ」
つっけんどんに返した台詞に、凄まじい破壊力を秘めた返事が返ってきた。
それもまた、自信に溢れた声と共に。
いつもなら皮肉で返す越前も、それには咄嗟に言葉が出てこなかった。
唯、視線を桜乃から逸らし、相手の若者の横顔に向けるだけだ。
その相手は、真っ直ぐに桜乃を見つめていた…慈愛に溢れた視線で。
「ずっと好きだったんだ……同じ学校で毎日顔を合わせる事が出来た君達には、俺が味わっていた歯痒い思いなんか、分からないだろう?」
今、彼女は何をしているのだろうか…?
誰と一緒に話しているのだろうか?
誰の声を聞いているのだろうか?
誰と歩いているのだろうか?
誰を見ているのだろうか?
毎日毎日…そんな事ばかりを考えていた自分の気持ちなど、分からないだろう?
どんなに君が恵まれていたのか、君は考えたことがあるのかい?
桜乃に恋焦がれていた若者は、向こうで青学の若者達と語らっている桜乃を一心に見つめ続けている。
「…最初は憎かったよ、君が」
告白した男は、そこでようやく越前へと視線を落とす。
相手はまだ幸村の告白がショックだった様子だが、それでも真っ向から彼を見返してきて、それに幸村は満足げに笑っていた。
「精一杯の好意を込めて接してくるあの子を、無碍に扱う君がね…優しくて内気な彼女の心に甘えて、何も与えようとしなかった君が憎くて仕方なかった」
彼女にあんな顔をさせるなんて…許せなかったんだ。
「…それで?」
あまり面白い話じゃないな…といった様子の越前の返しだったが、幸村は特に機嫌を損ねるでもなく続けた。
「………でも今は感謝しているよ、君の鈍感振りにね」
歯に衣着せず、男は辛辣な言葉をそのまま浴びせる。
「好きな女性が離れようというのに、その手を取る事も拒むこともしないなんて、鈍感にも程がある」
「好き?」
「…もう、分かってるんじゃないのかい。流石に」
「………」
ぞんざいな言葉で惚けようとした少年に、しかし若者は見抜いているとばかりに問い返した。
「…好き、だったんだろう、君も」
彼女の事が…好きだった筈だよ。
睨み付けるような目を向けた相手に一瞥も寄越さず、幸村は再び桜乃を見ていた。
「気付いていなかったかもしれない、無意識の中での好意だったのかもしれないけど…彼女が気になっていたからこその無頓着振りだったんだろう…まるで子供だね、幼稚園児が気になる子に意地悪をしてしまうのと同じさ」
「勝手に決めないでくれる?」
自分の心を勝手に決め付けるなと文句を言ったルーキーに、幸村は微笑んであっさりとその申し出を受け入れた。
「いいよ、もう言わない。君にとってその程度の問題だったのなら、この話はここで終わり」
そして、最後に…彼はゆっくりと締め括った。
「但し、もしこれで君の胸が痛みを感じているのなら…それこそが君への罰だよ」
あの子を悲しませた罰…甘んじて受けるがいいさ。
「………」
答えない事を答えとした越前に、若者は最初に見せた穏やかな笑顔を再び見せる。
断罪者と呼ぶにはあまりにも美しく優しい笑顔だ…だからこそ、恐ろしい。
「桜乃はもう、俺だけの大切な恋人なんだ…君にとっては只の友人で、恋人にはなりえない……一生、君のものにはならない」
「!…」
ずき、と初めて痛む胸を自覚する越前に、幸村は桜乃を見るように促した。
「…綺麗になっただろう? 彼女」
それが贔屓目ではないことは、言われた少年も十分に分かっていた。
そう、確かに…彼女は綺麗になった。
「あれが本来の彼女さ…自分の持つ光に目眩まされていた君には分からなかったかい? ほんの少し、ほんの少しだけ君の持つ光を、優しさを、あの子に与えてさえいれば、彼女は君の傍にいたかもしれないね…でも、もう遅い」
全ては遅い…遅すぎたんだよ。
あの子が自分に会ってしまったのが、君の全ての敗因さ。
「人の心はね、ボーヤ。テニスボールじゃないんだよ」
そう言い残して、幸村はその場を立ち去った。
「…………」
残された少年は、初めての胸の痛みを持て余しながら、それでも毅然として前を見据えていた。
これまで、俯くことなんてなかった…そしてこれからも。
「…ちぇっ」
舌打ちをして、ぐっとラケットを握り締める。
何て事はない、いつもの癖。
父親に負かされる度、悔しさを遣り過ごすように、自分はこうしてラケットを握り、その感触に集中しながら舌打ちをする。
それで立ち直れていたのだ…すぐに。
今日は負けても明日なら。
明日に負けても、またその次の日には…
そうして、自分はずっとずっと、悔しさを遣り過ごしてきた…テニスでは。
でも、これはもう、やり直せない戦い…いや、戦いとすら呼べるものではなかった。
しかし、この悔しさもまた自分が負うべき責任なのだ。
気がつくべきだった…気がつかなければいけなかった。
世の中にはもうどうにもならない事があるのだと、少年は初めて思い知ったのだ。
胸の痛みと共に…己への罰と共に。
「……悪かったね」
誰にも聞かれない呟きを、越前はひそりと漏らした。
「…ボールしか、追いかけてなかったからさ」
テニスしか、知らなかったからさ。
愛だの恋だの気にも留めていなかったけど…そうか、そんな自分でも出来るものだったんだ。
そしてこれが…失恋というヤツなのか。
「…ちぇっ」
もう一度、越前は舌打ちをした…何処か自虐的な笑みを浮かべながら。
「……大した痛さじゃないね、テニスで負ける事に比べたら」
それが本心からのものだったのかは、彼以外は誰も分からない。
そして、彼は前を向く。
視界の中で、美しくなった少女は傍に来た幸村に優しい笑顔を向けていた。
彼女と自分が立っている場所は確かに繋がっている筈…なのに、今は深い深い溝がぱっくりと二人の間に横たわり、彼らを隔てている様だった。
見えている、けど触れられない。
呼んでも、叫んでも…もう届かない。
届かないなら…もう見たって仕方がない。
越前は、ぐい、と愛用の帽子を深く深く被った。
一つの恋が終わった…それだけのことだ。
過去は過去として…歩き出さないといけない。
「……俺はもっと…強くなるんだ」
その日、若きルーキーは心に一つの傷を負い、そして、一つの誓いを刻んだ。
暫し続くだろう、痛みと共に……
了
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